Walkman A20 レビュー (FiiO X1との比較 & 使いこなすポイント)

2016年3月14日

約1ヶ月半前に「Walkman A20」を購入しました。SONYが昨年秋にリリースしたハイレゾ対応ウォークマンシリーズです。以前に当サイトで紹介したFiiO X1との比較や、Walkman A20を使いこなすポイントを織り交ぜながらレビューしようと思います。

概要

Walkman A20の特長について、公式サイトから引用する形で簡単にまとめておきます。

  • ハイレゾ音源を忠実に再現するフルデジタルアンプ「S-Master HX」搭載
  • 圧縮音源をハイレゾ相当の高解像度音源にアップスケーリングする「DSEE HX」機能搭載
  • 「ハイレゾ対応デジタルノイズキャンセリング機能」搭載
  • 素材を見直し、さらに品質が向上した「高純度無鉛高音質はんだ」採用
  • 低抵抗ケーブルを採用し、重厚な低音を実現
  • 厚膜銅箔プリント基板で、濁りのない音色に
  • プリント基板にフィルドビア(Filled VIA)構造を採用
  • コンデンサーに「POSCAP」を採用し、透明感のある音質に
  • 本体フレームにアルミダイキャストを使用し、安定した音質を実現
  • 世界最小・最軽量(横幅約43.6mm、厚さ約8.7mm、重さ約66g)のハイレゾ対応オーディオプレーヤー
  • バッテリー最大持続時間:約50時間
  • microSDメモリーカードに対応
  • デジタル出力に対応(USB Audio対応 (192kHz/24bit) )
  • Bluetooth / NFC 機能搭載 (LDAC・aptX 対応)

詳しくは公式サイトをご確認下さい。個人的にポイントだと思っているのは、本体設計において、ハイエンドモデルのZXシリーズと同様の技術手法が一部用いられている点です。また、この小さなボディでハイレゾ音源を再生出来るという点も凄いです。独自開発のデジタルアンプ「S-Master HX」のおかげでしょう。そして、microSDカードで容量を拡張できる点も素晴らしいですね。

外観

今回私が購入したのは、「NW-A25」(本体メモリ16GB・ハイレゾ対応デジタルノイズキャンセリング機能付きイヤホンが付属していないもの) です。メモリについては別途microSD 128GBを購入し、ヘッドホンについては以前当サイトで紹介した「MDR-1A」を使用するため、一番安いものを購入した次第です。

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SONY ウォークマン A20シリーズ 16GB ハイレゾ音源対応 2015年モデル チャコールブラック NW-A25 BM


SanDisk 128GB microSDXCカード (スピードクラス Class10, UHS-I, 最大転送速度: 48MB/s), New Fire タブレット, Amazon Fire TV動作確認済み

また、ケースは以下のものを購入しました。

ソニー ウォークマンAシリーズ専用ソフトケース(ブラック)SONY CKS-NWA10-B

ケースをつけると以下のようになります。

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とてもコンパクトで作りもしっかりしています。HOLDスイッチがあるのも良いです。ただ、BACKとOPTIONのハードウェアボタンが細長いため少し押しづらく感じます。

音質

注意:音質レビューにおいては特に筆者の個人的な感想であり、音質に関する感想については個人差があることをご理解の上お読みください。ヘッドホンは、ハイレゾ対応ヘッドホン「MDR-1A」を使用しています。

全般

全体的にフラットで聴きやすい音作りです。それでいて、低音がしっかり出ています。これは、ハイエンドモデルのZXシリーズで用いられている低抵抗ケーブルを採用した恩恵でしょう。キレのある低音が聴いていて心地よいです。

おすすめはイコライザ弄り

圧縮音源をハイレゾ相当の高解像度音源にアップスケーリングする「DSEE HX」機能はもちろん素晴らしく、特に屋内で聴く際はその違い(音がより広がる感覚)がよく分かります。また、ClearAudio+も時々使用してまた違った音を楽しみたい場合には有効でしょう。

ただ、自分好みの音を簡単に作ることから考えると、おすすめは「イコライザ」を弄ることです。イコライザの「カスタム」にて自分好みの音色を作成できます。

MDR-1Aにおいては、中音域を-2、好みに合わせて中高音域を+1〜2すれば、特に女性ボーカル曲における"キンキンする感じ"が軽減され、聴きやすくなります。

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FiiO X1との音質比較

コチラの記事 で以前紹介した、コストパフォーマンスに優れるハイレゾ対応ポータブル音楽プレーヤー「FiiO X1」との音質を比較します。

FiiO X1はWalkman A20と同じような「フラット」な音作りという印象を受けます。ただ、FiiO X1とWalkman A20の大きな違いは、Walkman A20の方が「自然な低音のキレの良さ」において優れているという点です。FiiO X1は低音の主張が足りないように感じます。それに対して、Walkman A20の方が低音が出ており、しかもただ低音域を増幅したのではなく、解像度の高い低音を奏でているのです(これを上記にて「自然な低音のキレの良さ」としています)。個人的にはこのWalkman A20の音質のほうが好みですし、FiiO X1より良い音作りをしているなと思います。繰り返しになりますが、低抵抗ケーブルが生きているのかなと思います。

Walkman A20を使いこなすポイント

特にWalkman初心者の方がハマりやすいポイント・使いこなすポイントをご紹介します。

Media Goは極力使わない

Walkman転送ソフトウェア「Media Go」がありますが、そもそもWalkmanはエクスプローラー上でのファイル転送に対応しています。自分の見やすいフォルダ構成を作成すれば、Walkman上からそのまま閲覧・選択できます。ファームウェアの更新や歌詞ピタ転送時以外はMedia Goを使うメリットはないでしょう。実際、Media Go自体の評判も悪いです。

MP3タグの編集時に注意

Walkmanを使用して良くあるのが、「アルバムジャケットが反映されていない」「アーティスト名が反映されていない」などです。MP3タグ編集ソフトで編集していても上記問題が起こることがよくあります。その原因は「タグのバージョンがWalkman非対応のものとなっているから」です。どういうことかというと、WalkmanはMP3タグID3v2のv2.3にしか対応していません。タグ編集ソフトはよくこのバージョンの初期設定をv2.4にしていることがあります。タグ編集ソフトの設定においてこの部分をv2.3に変更し、再度楽曲にタグを埋め込んであげるとWalkmanにも反映されるようになります。

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ただ、上記の方法で改善されない場合(特にmoraで購入したaac音源)は、その曲に限りMedia Goで転送すると反映されます。一旦Media Goで転送した後にエクスプローラー上でその曲を自分の置きたい位置に移動させると良いです。

データベースの再構築についての注意

Walkmanは転送・再起動直後にデータベースの再構築というものを行います。これは、追加・削除した曲を検出してデータベースを更新する作業です。そのため、大量に曲を追加した際などはデータベースの構築に非常に時間がかかります。その際、何回もWalkmanが再起動しますが故障ではありませんので終わるまで何か別の作業をすると良いでしょう。

また、曲を殆ど追加していないにも関わらず、データベースの構築に非常に時間がかかる場合があります。それは大量の曲が入っているフォルダの名称を変更した場合などです。ディレクトリ構造が変わるので、その名称を変更したフォルダ内の曲の数だけデータベースが再構築されることになります。よって、フォルダ名の頻繁な変更はあまりしないほうが良いでしょう。

総評

総じて、Walkman A20は素晴らしい製品だと思います。この小さなボディでハイレゾ音源の再生や高音質を実現している点は流石です。データベースの構築によって検索も非常にし易いですし、ワイヤレス再生・FMラジオ・写真・ビデオなど、このWalkmanで出来ることは他にも多いです。手軽にハイレゾ音源や高音質を体感したい方はこのWalkman A20を選んでおけば間違いないのではないでしょうか。筆者は今後数年はこのWalkmanを音楽プレーヤーのメイン機とする予定です。

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SONY ウォークマン A20シリーズ 16GB ハイレゾ音源対応 2015年モデル チャコールブラック NW-A25 BM


SanDisk 128GB microSDXCカード (スピードクラス Class10, UHS-I, 最大転送速度: 48MB/s), New Fire タブレット, Amazon Fire TV動作確認済み


ソニー ウォークマンAシリーズ専用ソフトケース(ブラック)SONY CKS-NWA10-B


更新履歴
2016/02/09:記事公開
2016/03/14:Walkman A20を使いこなすポイント > MP3タグの編集時に注意 のセクションに追記 & 一部加筆修正

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Posted by Kotyan