ハイパフォーマンス(コスパ最強)ポータブル音楽プレーヤー「FiiO M11」レビュー
ポータブル音楽プレーヤーを新調しようと思いまして、当サイトでもいくつか記事にしているFiiO社の、最新プレーヤー「FiiO M11」を購入しましたのでレビューいたします。(レビュー記事を書こうと思ってから実はもう2ヶ月ほど経過してしまいましたが、2ヶ月ほど使用したレビューとしてお楽しみください)
FiiO M11について
FiiO M11は、ヘッドホンアンプなどで有名な中国に本拠地を置く音響機器メーカーであるFiiO社が開発した、コストパフォーマンスの優れたハイパフォーマンスポータブル音楽プレーヤーです。詳しくは公式ホームページ(英語)を見ていただくとして、ここでは主な特長をまとめておきます。
- DACチップにAK4493EQを2基、左右独立構成で搭載 (ハイレゾ対応)
- 3.5mmシングルエンド出力端子と2.5mm/4.4mmバランス出力端子を搭載
- 新たに設計されたフルバランス構成ヘッドホンアンプ回路
- Windows/MacにてUSB DACとしても利用可能
- apt X/apt X HD/LDAC/HWA(LHDC)といった主要高音質ワイヤレスオーディオコーデックに対応
- 自社開発アプリ「FiiO Music」を搭載するCustomized Android OSを搭載
- 5.15インチの18:9 型HDタッチスクリーン
- Exynos 7872 搭載でデジタルオーディオプレーヤー史上最高クラスの高速動作を実現
- 3GB RAM + 32GB ROM + microSD(最大2TB)×2スロット
- 連続再生時間は13時間、待機時間は最大50日間
- 急速充電対応(USB-C)
音質性能(DACチップや回路構成など)はもちろん素晴らしいのですが、一番強く惹かれたのは、2.5mm/3.5mm/4.4mmすべての出力端子を搭載していることです。普通のメーカーであれば、一般的な3.5mm出力端子のみか、それと2.5mm/4.4mmのいずれかを搭載しているのが一般的ですが、FiiO M11ではすべて搭載してきました。流石です。これで様々なイヤホン・ヘッドホン・ケーブルで楽しむことができます。また、ハイレゾワイヤレス規格にも対応していますし、PCと接続してUSB DACとしての使用も可能です。性能的な面から見ても、十分なCPUパワー・メモリ・バッテリー容量を持っています。microSDが2枚挿せるところも魅力的です。
日本の正規代理店で購入する場合は6万円程度になります(私は個人輸入して47,000円程度で購入しましたが、保証の面から考えて正規代理店で購入した方が良いでしょう)。このスペックで6万円はかなり安いといえるので、非常にコストパフォーマンスが高い製品といえるでしょう。
レビュー
外観・パッケージ
パッケージは以下のように高級感のあるものとなっています。
取扱説明書やmicroSD取り出しピンに加えて、透明のTPU保護ケースと7H強化ガラススクリーンプロテクターが付属しています。わざわざケースや保護フィルムを別途購入する必要がないのは素晴らしいです。しかも、強化ガラススクリーンプロテクターは既に本体に取り付けてあるので安心です(非常にありがたいですね)。
本体は背面がガラス仕上げで、非常に高級感があります。ハイレゾ対応ロゴが映えますね。
下部は、左から4.4mm/2.5mm/3.5mm出力端子が並んでいます。圧巻です。(中央はUSB-C接続ポート)
UI・操作感
FiiO M11は、FiiOによってカスタマイズされたAndroid 7.0ベースのOSを搭載しています。そのため、Androidスマートフォンと同じような操作感で使用できます。
音楽管理ソフトなどは不要で、 FiiO M11をPCに接続してファイルエクスプローラーで曲ファイルをドラッグ&ドロップなどで転送するだけで良いです。FiiO Musicアプリ(上写真の右下)が標準搭載されているので、このアプリを用いて音楽を聴くと良いでしょう。曲名・アーティスト・アルバム・ジャンル・フォルダ階層別での操作が可能です。操作性も良く使いやすいです。
Androidアプリについて
AndroidベースのOSですので、Androidアプリを使用することができます。しかし、Google社の規制により、Googleのサービスを用いたアプリ(Google PlayやYouTubeなど)のインストールはできません。Google Playが利用できないので、代替アプリであるAPKpure(サードパーティ製アプリストア)を導入すると良いでしょう。導入方法は、予めインストールされているApplicationsアプリを起動して、そこからインストールします。この方法でAmazon MusicやSpotifyなどのインストールも可能ですし、APKpureを導入すれば様々なアプリケーションをインストールして楽しむことができます。(しかし、Apple Musicは非対応のようですので注意しましょう)
更新(2020/3/15): Google Playがインストールできるようになりました。これにより、自由にアプリケーションのインストールが可能です。YouTube MusicやGoogle Play Musicなどの、Google Play開発者サービスが必要なアプリケーションも動作するようになりました。(ただし、Apple Musicは使用できません)
音質
まずは、以前の記事で紹介した「FiiO FA1J」で、4.4mmバランスケーブルにリケーブルして聴いた際の感想を述べます。この4.4mmバランスケーブルは、絡みにくく取り回しも良いのでおすすめです。
FiiO FA1Jは、通常のスマートフォンで聴くと、解像度が高く中高音域に強いイヤホンである一方、低音域が少し不足気味という印象がありました。しかし、FiiO M11に接続して聴くと、低音域の厚みが増して非常に聴きごたえのある音になりました。オーディオプレーヤーを変えるだけで大きく音が変わることを改めて実感しました。もともとの解像度の高さが活かされており、解像度の高い中高音とキレのある低音を鳴らしてくれるので、聴いていて気持ちが良いです。外出時におすすめの組み合わせと言えます。
次に、愛用している方も多いであろう「SONY MDR-1AM2」で4.4mmバランスケーブルで聴いた際の感想を述べます。
こちらは対応している音域が非常に広いヘッドホンですので、 素直な音作りをするFiiO M11と組み合わせると、全ての音域をバランス良く綺麗に鳴らしてくれるので相性が良いです。低音域から中高音域までしっかりと厚みのある音を聴かせてくれます。家でじっくり聴きたいときにおすすめな組み合わせと言えます。
総じて、スマートフォンで聴く場合と比べて、音の解像度が向上するとともに音の厚みも増して聴き応えのある音になりました。イヤホン/ヘッドホンの性能を更に引き出してくれることは間違いないでしょう。
また、音飛びが全くないのも特徴的だと思いました。Xperiaなどは最新モデルであっても時々音飛びすることがあります。これは(microSD自体の不良を除いて)、音楽再生時にAndroid OSによる割り込み処理が原因となって起こります。FiiO M11ではカスタマイズされたAndroid OSと、Samsungと協力して音楽再生処理に最適化されたSoCを使用しています。これによって、安定した音楽再生を実現しているというわけです。素晴らしいですね。
microSDについて
FiiO M11はmicroSD(最大2TB)を計2枚まで挿入することができます。つまり、4TBもの容量を確保することが可能です。しかしながら、スロット1の方は読み出しパフォーマンスが下がるようですので、1枚のみで運用する場合はスロット2に挿入することをおすすめします。
バッテリーについて
バッテリーの持ちについてですが、なかなか良いです。Wi-FiやBluetoothを使わないときにオフにしておけば、1日に2時間ほど(往復通勤時間)音楽を聴いたとして1週間近く持ちます。また、USB-Cでの急速充電に対応しているので、スマートフォンと同じような取り回しができるのもGoodポイントです。
まとめ
久しぶりにFiiOの音楽プレーヤーを購入しましたが(FiiO X1以来)、クオリティの向上ぶりに驚いています。昔から音質は良かったですが、それに加えてAndroidをベースにしてチップのスペックを向上することで、UIや操作性のレベルを引き上げて非常に使い勝手の良い製品に仕上がっています。これからのFiiOの成長にも一段と期待できますね。コストパフォーマンスの高い、とても完成度の高い製品なので、愛用していこうと思います。
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