7インチ ゲーミングUMPC「OneGx1 Pro」購入しました【レビュー】

2021年7月23日

久しぶりに特徴的なガジェットを購入しましたのでレビューしようと思います。本日発売の7インチ ゲーミングUMPC「OneGx1 Pro」です。

OneGx1 Pro とは

OneGx1 Pro」とは、OneMixシリーズでも有名なOne-Netbook社の"7インチ ゲーミングUMPC(ウルトラモバイルPC)"です。2021年1月31日(家電量販店では2月6日)発売です。特徴を以下にまとめておきます。

  • 第11世代 Intel Core i7 プロセッサー搭載 (4コア8スレッド, 最大4.4GHz)
  • 第12世代 Intel Iris Xe グラフィックス内蔵
  • 高速16GBメインメモリ (LPDDR4X-4266)
  • 1920 x 1200 7インチFHD IPS液晶 (323PPI, 10点マルチタッチ, デジタルスタイラスペン対応)
  • Micro PCIe NVMe 高速SSD (512GB〜) 搭載
  • アルミニウム合金CNC削り出しボディー
  • RGB4色バックライトキーボード
  • 専用ゲームコントローラー(取り外し可能, オプション品)
  • Wi-Fi 6 (IEEE 802.11ax) 対応
  • USB 4ポート (Type-C x 2) eGPU対応 + USB 3 (Type-A) x 1, イヤホンジャック, Micro HDMI, SIMスロット(4G/5Gモデルのみ)
  • 12000mAh バッテリー (11時間動画連続再生), PD65W 急速充電対応 (モバイルバッテリーでの充電可)
  • 620gのコンパクトボディ

7インチのUMPCは一部界隈で人気で、私もOneMixシリーズを使っていました。しかし、性能をある程度妥協しなければならない点がネックでした。このOneGx1 Proでは、なんと第11世代Intel Core i7を搭載し、グラフィックスも大幅にパワーアップしたIntel Iris Xeを内蔵します。また、高速なメモリとSSDを搭載しており、UMPCだから性能はそこまで出ないという常識を覆してくれる製品となっています。インターフェースも充実しており、USB 4にも対応しているため、eGPUを使用することもできます。専用ゲームコントローラーをつけて遊ぶことができるところも特徴的です(Nintendo Switchみたいですね)。

このように、メインPCとしても十分に利用できる性能となっています。具体的なベンチマークや使い勝手などは後ほどレビューでご紹介します。

モデルは全部で4つあり、値段はそれぞれ以下のようになります。

  • 512GB Wi-Fi ¥168,000 (税別)
  • 1TB Wi-Fi ¥178,000 (税別)
  • 512GB Wi-Fi+4G (SIMフリー) ¥178,000 (税別)
  • 512GB Wi-Fi+5G (SIMフリー) ¥208,000 (税別)

レビュー

それでは早速レビューに入ります。私は先行予約をしていたため、発売日の前日に届きました。約1日使ってのレビューになります。

左: コントローラー、右: 本体

外観

本体パッケージには、本体・ACアダプター・USB-Cケーブル・ファーストステップガイド・説明書・保証書が入っていました。日本語対応でした。

マットな作りでアルミニウム合金のため高級感があります。

右側面から。Micro HDMI端子があります。厚みはそこそこあります。

本体裏側面。USB 4 (Type-C) x 2, USB 3 (Type-A) x 1, イヤホンジャック があります。左側のUSB-Cポートが充電にも対応しています。

左側面。SIMスロットがあります。4G/5G版であればここにSIMカードを挿入すれば使えるようになります。

電源を入れてセットアップしました。キーボードが光っていてかっこいいですね。

裏側面にあるリングも青色に光ります。流石"ゲーミング"UMPCと名乗っているだけあります。

ちなみに、おまけで付いてきたケースに入れると↑のようになります。かなりギリギリですし作りがチープなため、私は使うことはないでしょう...

専用ゲームコントローラーはポーチに入っていました。Bluetoothで接続するタイプになります。(別途充電が必要)

外部出力

MacBook Proでも使っている、Apple純正の「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」にマウス・4Kディスプレイ(HDMI)・充電USB-Cを接続し、OneGx1 ProのUSB-Cポート(左側)に接続したところ、問題なく充電しながらデュアルディスプレイ環境で使用できるようになりました。(一方の画面サイズ以外は)メインPCと同じように使えています。

キーボード・マウスポインタ

基本的に日本語キーボード準拠ですが、スペースの都合上、キーの大きさが均等ではありません。そのため、ブラインドタッチは少々厳しいところがあります。特に数字キーは小さいので押しにくいです。このキーボードで文書作成は行いたくないなとは思いました。一方で打鍵感は良いと思います。

マウスポインタについてですが、こちらは定番の光学式ポインティングになっています。なめらかに追従してくれますが、もちろん普通のマウスよりはやりにくいです。こちらは大きさゆえ仕方ないでしょう。なお、画面はタッチ対応なので適宜使い分けると良いですね。

ベンチマーク

早速Geekbench 5でベンチマークを取ってみました。以下、本製品と私が持っている他製品の一部のベンチマークをまとめて比較しようと思います。(OSやアーキテクチャが異なるものがあるためあくまで参考程度)

製品名Single ScoreMulti ScoreGraphic Score
OneGx1 Pro
(Intel Core i7-1160G7, Intel Iris Xe Graphics)
1489481016606
MacBook Pro (16インチ, 2019)
(Intel Core i9-9980HK, AMD Radeon Pro 5500M)
(*: CPU内蔵 Intel UHD Graphicsのスコア)
1173734634861
(*5056)
MacBook Pro (13インチ, 2016)
(Intel Core i5-6360U, Intel Iris Graphics 540)
78318196470
自作デスクトップPC
(Intel Core i7-6700, NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti)
981357269136

7インチUMPCとしてはかなりの性能であることは分かるのではないでしょうか。シングルスコアでいうと、Intel Core i9-9980HKを上回っています。また、Core i7-6700にはシングル・マルチスコアともに勝っています。

グラフィックス性能に関しても、Intel Iris Graphics 540 に比べてかなり性能が上がっていることがわかります。(ちなみに、MacBook Pro 16インチのCPU内蔵 Intel UHD Graphicsのスコアは5056なので、それと比べてもかなり性能が高いといえるでしょう)

通常使用においては非常に快適に操作でき、流石の性能といったところです。

ゲーム性能

ゲーム性能を確認するために、まずはFortniteを試してみました。また、専用ゲームコントローラーも使用してみました。(専用ゲームコントローラーは、下からはめて上にスライドするとセットされます。逆の手順で外せます)

最初のムービーの再生中にフリーズして再起動するという不穏なスタートでしたが、無事プレイすることはできました。ただ、Wi-Fiだとマッチングしてもタイムアウトになってしまうのはたまたまだったのでしょうか(有線接続で回避)。設定はグラフィック周りを最低にしてプレイしました。

結果は、まあまあプレイできるというレベルです。少なくとも快適ではありませんでした。流石にFortniteをヌルヌル動かすのは難しいですね。自分としてはグラフィック周りの設定を最低にすれば60fpsくらい安定して出るのかな、と思っていましたが、流石にそれは甘すぎたようです。おとなしくFortniteは自作PCでやろうと思いました。

次に、Minecraftを試しました。こちらは設定を弄らずとも、快適に動作しました。Minecraftくらいのゲームであれば快適にゲームできると考えて良さそうです。また、3Dモーションを含むノベルゲームは快適にプレイできました。最近のノベルゲームは3Dを使うものも多くなってきて、重いものも少なからずありますので、そのようなゲームにとっても最適と言えると思いました。

冷却性能

冷却性能も気になるところですが、デュアルファンシステムがしっかり動作しており、負荷が高い場合も普通に触れるレベルの暖かさにとどまっています。その分、ファンの音は結構します。これは仕方ないでしょう。熱暴走の危険性はかなり低いという印象です。

まとめ

OneGx1 Proは、中程度の負荷のゲームまで対応した、メインマインにも十分なり得る性能を持ったUMPCと言えると思いました。コンパクトで高性能なPCが欲しいという方にはぴったりだと思います。一方で、中〜高程度の負荷がかかるゲームをやろうと思っている方は、普通のゲーミングPCを買われたほうが良いと思います。

追記:eGPUを使用して大幅にパワーアップすることを確認しました。詳しくは以下の記事を御覧ください。

Thunderbolt 4搭載端末にeGPU(NVIDIA GeForce RTX 3060)を接続してベンチマークを取ってみた(マイニング制限回避あり)

私はこの製品を、Nintendo Switchのような取り回しでPCゲームを遊ぶために活用していこうと思います。

そして、UMPCのさらなる発展を陰ながら応援しております。