Windows上にMac OS X Mavericksをインストールしてみた [方法]
MacにBootCamp機能を利用してWindowsをインストールすることは可能ですが、Windows PCにMac OSをインストールすることは通常できません。しかし今回、Windows上にMac OS X Mavericksをインストールすることに成功したので、方法を含めてまとめておこうと思います。
前置き
Hackintosh(OSx86)について
Windows搭載マシンでMacをブートするHackintosh(OSx86)と いうプロジェクトが存在します。Mac OSはハードウェアに大きく依存するのでAppleの開発するハードウェア上でしか通常動かないのですが、Intel製Macが出始めてからOSx86プ ロジェクトは大きく発展することになります。しかし、Appleは自社製品以外のIntelプロセッサ搭載PCにMac OS Xをインストール・動作させることを認めていません。よって、Hackintosh自体グレーな行為であり、何が起こっても自己責任で対応する必要があります。なお、Apple製品以外のIntelプロセッサ搭載PCにMac OS Xをインストール・動作させているPCの総称をHackintosh(OSx86)とも言います。また、その行為を、間接的に「夢を見る」と言うことも多いです。
筆者の環境
当方、以下の環境で作業を行いました。
- OS:Windows 8.1
- CPU:Intel Core i5 2.50GHz
- メモリ:16GB
方法の種類
Windows PCにMac OS X Mavericksをインストールする方法はいくつかあります。
- UniBeastでカスタムインストーラーを作ってフルインストールする
- VMwareなどの仮想環境を改造してそこにインストールする
1 の方法のメリットは、本来の動作速度で動かすことができるということですが、そもそも、インストールの段階でハードウェア的なエラーが出る場合がかなりあります。ハードとの相性が良くないと1の方法でMacをインストールすることは難しいです。そのため、CPUやマザーボードをはじめとしたハードウェアとの相性を確認するという手間があったり、かなり敷居が高いです。一方、2の方法のメリットは、インストールの敷居が1の方法に比べて低いということです。仮想環境にインストールするためハードウェア的なエラーはほとんど出ません。しかし仮想環境で動かすため、動作パフォーマンスは1の方法でインストールし たものと比べて、多少落ちます。
今回は敷居の低い2の方法を紹介します。もちろん2の方法でも環境によってインストール出来ない場合もありますので、その際は諦めて下さい。
追記:OS X Yosemiteへのアップグレード方法につきましては、この記事下部の ELRICさんのコメントを参考にしてみてください。
追記2:OS X Yosemiteのインストール方法についての記事を公開しました。
Windows上にMac OS X Yosemiteをインストールしてみた [方法] | Kotyan Life
必要なもの
- Intel Virtualization Technology対応CPUを搭載したPC
- Mac OS X Snow Leopard v10.6.8以降を搭載したMacまたはHackintosh
- VMware Player (仮想マシン作成・実行アプリケーション)
- VMware Unlocker for OS X
※必要なものの中に、Mac OS X Snow Leopard v10.6.8以降を搭載したMacまたはHackintosh とありますが、もしIntel Macを持っていない場合は、ネットブックにMac OS X Snow Leopardをインストールしてみた [方法] のやり方で、Mac OS X Snow Leopard v10.6.8以降を搭載したHackintoshを作成可能です。
手順
1:Mac App Storeから「OS X Mavericks」をダウンロードします。ダウンロード後、インストーラが起動しますが終了させます。この時点でOS X Mavericksインストーラは/Applications内に入ります。
2:Terminalにて以下のコマンドを順番に実行して、ISOイメージを作成します。作成されたISOイメージはデスクトップに作成されます。
hdiutil attach /Applications/Install OS X Mavericks.app/Contents/SharedSupport/InstallESD.dmg -noverify -nobrowse -mountpoint /Volumes/install_app hdiutil convert /Volumes/install_app/BaseSystem.dmg -format UDSP -o /tmp/Mavericks hdiutil resize -size 8g /tmp/Mavericks.sparseimage hdiutil attach /tmp/Mavericks.sparseimage -noverify -nobrowse -mountpoint /Volumes/install_build rm /Volumes/install_build/System/Installation/Packages cp -rp /Volumes/install_app/Packages /Volumes/install_build/System/Installation/ hdiutil detach /Volumes/install_app hdiutil detach /Volumes/install_build hdiutil resize -size `hdiutil resize -limits /tmp/Mavericks.sparseimage | tail -n 1 | awk '{ print $1 }'`b /tmp/Mavericks.sparseimage hdiutil convert /tmp/Mavericks.sparseimage -format UDTO -o /tmp/Mavericks rm /tmp/Mavericks.sparseimage mv /tmp/Mavericks.cdr ~/Desktop/Mavericks.iso
3:VMware Unlocker for OS X をダウンロード・解凍し、ファイル内のwindowsフォルダ内にあるinstall.cmdを管理者権限で実行します。これにより、VMwareにMac OSをインストールできるようにパッチが当てられます。
4:VMware Playerを起動し、新規仮想マシンを作成します。OSは手順2で作成したMavericks.isoを選択します。
5:手順3でパッチを当てたことにより、ゲストOSでMac OS Xを選択できるようになっていますので、Mac OS Xを選択し、ドロップダウンメニューからはMac OS X 10.9を選択します。
6:仮想ディスクを単一ファイルとして格納するを選択します。
7:自分の環境に合わせてハードウェア環境をカスタマイズして完了。
8:仮想マシンを再生するとインストール画面が立ち上がります。
9:ディスクを選択するところにきたら、ユーティリティ -> ディスクユーティリティを開きまます。そしてパーティションタブを開き以下のように設定し、適用をクリックします。
- パーティションのレイアウト:1パーティション
- 名前:適当でOK
- フォーマット:Mac OS 拡張(ジャーナリング)
10:インストール作業が始まるのでじっくり待ちます。
11:インストール完了後、セットアップしていきましょう。
12:CD/DVD設定で、VMware Unlocker for OS X ファイル内のtoolsフォルダ内にあるdarwin_snow.isoを選択し、接続をクリックすると、VMware Toolsがマウントされるのでインストールします。これで、画面解像度が最適化され、ホストOSとのファイル共有がスムーズにできるようになります。
13:再起動すれば完了です。お疲れさまでした!
注意
ソフトウェア・アップデートからアップデートすると、仮想マシンが起動しなくなる可能性が高いです。Apple公式ホームページからアップデートファイルを手動でダウンロードしてインストールするようにしたほうがよいでしょう。
備考
必要なもののセクションにも書きましたが、OS X MavericksインストーラをダウンロードしMavericks.isoを作成するためには、Mac OS X Snow Leopard v10.6.8以降を搭載したMacまたはHackintoshが必要です。しかし、もしIntel Macを持っていない場合は、ネットブックにMac OS X Snow Leopardをインストールしてみた [方法] のやり方で、Mac OS X Snow Leopard v10.6.8以降を搭載したHackintoshを作成可能です。このHackintoshでOS X MavericksインストーラをダウンロードしMavericks.isoを作成することが可能です。よって上記記事は重要と言えます(もちろん上記記事の方法は、ネットブックに限らず、他のデスクトップマシンやノートPCでも可能です)。
追記:OS X Yosemiteへのアップグレード方法につきましては、この記事下部の ELRICさんのコメントを参考にしてみてください。
追記2:OS X Yosemiteのインストール方法についての記事を公開しました。
Windows上にMac OS X Yosemiteをインストールしてみた [方法] | Kotyan Life
感想
CPU2コア・メモリ8GBを割り当てましたが普通に動作してくれています。しかし、仮想環境で動かしていることもあって、グラフィック系は弱いと感じました。
Hackintoshはお遊びでやると楽しいですが、常用利用する際はちゃんとMacを購入したほうが良いでしょう(もちろん私の母艦はIntel Macです)。夢から覚めたらちゃんとMacを買いましょうね。
以上。
APPLE Mac mini (1.4GHz Dual Core i5/4GB/500GB/Intel HD 5000) MGEM2J/A
更新履歴
2014/04/10:記事作成
2014/12/27:OS X Yosemiteへのアップグレード方法について追記 (thanks! ELRICさん)
2014/12/31:コマンドソースを見やすく表示するように修正
2015/04/05:OS X Yosemiteのインストール方法についての記事を公開したことを追記
ディスカッション
コメント一覧
大変記事参考になります。ありがとうございます。
記事通りにすすめようとしたところ、ターミナルでコマンドを実行するところで、hdiutil convert /Volumes/install_app/BaseSystem.dmg -format UDSP -o /tmp/Mavericksと入力すると、ディレクトリまたはファイルがみつかりませんとかえってきてしまいます。
os10.9使用です。
原因はありますでしょうか。お教えいただけると幸いです。
当記事のコマンド記述をコピー&ペーストしながら進めてみてもうまくいきませんでしょうか?
念のため、私の方でもコマンドを再検証して見やすくしようと思います。
Mavericksインストールイメージ作成コマンドをミスなく簡単にコピー&ペーストできるように.txtファイルを作りました。以下からダウンロードして下さい。(記事にも追記しました)
Command for creating Mavericks installer image.txt.zip
ぼくはそれでもできません
sudo権限で実行してみてもダメですか?
貴重な情報ありがとうございます。
Snow Leopardに引き続いてMavericksもインストールすることができました。
一件注意する点としてVMware Unlocker for OS Xでパッチを当てるときに、私の環境ではバックグランドサービスのDLLが使用中とのことでパッチが当たりませんでしたのでVmware関連のプロセスを全て終了してから行いました。install.cmdの最後にpauseの一文を追加して表示されるメッセージを見れるようにすると良いと思います。readme.txtも読むと参考になります。
おめでとうございます!
よろしければ一件お教えください。キーボードに関してです。
Windowsキーボードでは例えばセミコロン;やアスタリスク*などの記号がMac上ではうまく入力できません。そこで下記の記事を参考にPS/2Jキーボードを導入しました。
http://shiremono.com/?p=7058
http://www29.atwiki.jp/osx86jp/pages/49.html
この方法はSnow Leopardでは上手く機能しておりましたが、Marvericではことえりの環境設定の方法が変更となり英語入力時にPS/2Jキーボードを自動的に選択することができなくなりました。このため英字の入力時にはキーボードメニュー(?)からPS/2Jをその都度選択して切り替える必要があります。この問題に対する解決策はあるのでしょうか?
MAC OS Xに触れるのは3日目であり、非常にプアな知識しかないため御存知でしたらお教えいただければ幸いです。
ごめんなさい。私は基本的にMacをApple純正キーボードで利用しているため、WindowsキーボードでのMacの利用に関しては、ググって得られるものと同程度の知識しかありません…
いまさらですが、私は下記ページの方法でうまくいっています。
http://ameblo.jp/pc-dreamplus/entry-11744354932.html
http://www.softantenna.com/wp/windows/use-jis-keyboard-with-mac-and-windows/
のそのそしていますが、楽しいですね! このページに感謝です!
Mavericks.isoを作るところまでは出来たんですが、できたファイルをホストOSに移動できません。VMWareの共有フォルダに入れようとしてもエラー(コード-36)が出て移動できません。何かほかに方法はないでしょうか
ゲストOSにUSBを接続して、USBにファイルをコピーしてUSBを取り外し、今度はホストOSにそのUSBを接続しコピーするのが良いでしょう。
MavericksからYosemiteにすんなりアップグレードできてしまいました。
SnowLeopardの頃はマイナーバージョンのアップデートだけでも手間暇かかったのですが、
今回はあっけなくできてしまって拍子抜けしました。(といっても、スナップショットとクローンでのフルバックアップはとってましたが)
おめでとうございます!そして情報共有ありがとうございます。確かに今までのことを考えれば意外ですね。
こちらのMavericks導入手順をベースに、Snow Leopard 10.6.3 → 10.6.8 →Yosemite 10.10の順で
OSバージョンアップを行う形での導入を試行したところ、無事成功しました。
そのお礼の意味を込めて、試行した手順を参考で書き出します。
【必要なもの】
•Intel Virtualization Technology対応CPUを搭載したPC
•Mac OS X Snow Leopard v10.6.3 DVDメディア
•VMware Player
•VMware Unlocker for OS X
【試行した手順】
・VMWare PlayerにVMware Unlocker for OS Xのパッチを適用
・VMware Playerを起動し、新規仮想マシン作成
インストール元:インストーラ ディスク(物理PC上の光学ドライブ)を指定
ゲストOS:Apple Mac OS X
バージョン:Mac OS X Server 10.6 64bit を指定(※32bit指定でも行けるかと)
・以降はこちらのサイトにあるMavericks導入手順を参照
・OS起動後、システム情報で10.6.3が導入されていることを確認
・VMWare Toolsを適用
ここで一度仮想マシンのデータバックアップを作成
(※自分は仮想マシンを落とし、仮想データそのもののをコピー・退避しました)
・アプリケーションアップデートを実行し、10.6.8を適用(適用時自動的に再起動)
・OS起動後、システム情報で10.6.8が適用されていることを確認
・App StoreよりYosemiteをダウンロード
・ダウンロード完了後、自動的にインストーラが起動する為、要求に沿ってインストール実行
・OS起動後、システム情報でYosemite(10.10)が適用されていることを確認
以上です。
クリーンインストールに比べ、ディスク容量を消費してしまうところは目を瞑るとして
Yosemite導入までのステップが遠回りところが難点ですが、コンソール操作等の
ライトユーザに敬遠されがちなステップを回避することが出来るので、使い勝手は良いかと思います。
自分はMac mini Server (Late 2012)にBTOオプションを適用して使用していますが
正規Macを所持していても、夢見がちな行為が止められない性分でしてw
ではこれにて失礼致します。
おめでとうございます!
そして詳細なコメントありがとうございます。
筆者の環境で、xcodeは、無理なく使えますか?