Amazon謹製タブレット「Fire HD 7」レビュー

2015年2月13日

この度、今年秋に発売されたAmazon謹製タブレット「Fire HD 7」を購入しました。私は以前にKindle Fire HD (2012)を使っていたのですが、その時に比べてかなり進化しています。AmazonタブレットのFireシリーズはレビュー欄では賛否両論あったりしますが、どういう人におすすめかなどや、上位機種Fire HDX 7 (2013)との比較、他タブレットの比較も織り混ぜてレビューしていこうと思います。Fire HD 6を購入検討の方も参考になると思います。

開封

シンプルなパッケージングです。本体と簡易説明書、USBケーブルとACアダプタです。Kindle Fire HD (2012)の時と比べて、ACアダプタがついてくるところは良いですね。


Fire HD 7タブレット 8GB、ブラック

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外観

私は今回ブルーを購入しました。Fire HD 7/6からカラーバリエーションが豊富になったのもポイントです。背面カメラも付き、ますます最近のタブレットっぽくなりました。また、Fire HD 7/6は縦持ちをメインにしたデザインになったので、個人的には扱いやすくなりました(Fire HDX 7 2013は横持ちメインのデザイン)。厚みに関しても逆にホールド感があっていい感じです。

電源ボタンや音量調節ボタンの配置はiPadなどと同じなのですが、USBポートが電源ボタンの横にあるのがiPadと違います。ここまで特に問題ないのですが、唯一少し気になるのが重さです。7インチタブレットにしては重いかなと感じます。確かに、Kindle Fire HD (2012)の395gと比べれば337gと大分軽量化されましたが、7インチというサイズのせいか、もっと軽いことを期待してしまいます。Fire HDX 7 (2013)の303gまで軽量化してくれれば最高だと思いました。

結構頑丈な作りですので私はケースをなどを付けずに裸の状態で使っています。

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追記(2014/02/13):縦にも横にも立てかけることのできる純正ケースを購入しました。斜めに折り目が入っているので縦にも立てかけることができ、非常に本を読みやすくなりました。またiPadと同様に、ケースでスリープ/スリープ解除ができます。おすすめです。

Amazon Fire HD 7用スタンド型カバー ブラック

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使用感

非常にサクサク動作してくれます。Fire OS特有のUIも個人的に好きです。ホーム画面でコンテンツをパラパラめくる様は、iTunesのCover Flowを連想させます。

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キーボードのレスポンスが特に素晴らしいです。他のライバル機種と比べてキーボード入力のもたつきが一切なく、唯一私のタイピング速度についてこれているといっても過言ではありません。今まではiPad miniでEvernoteを使っていましたが、これからはFire HD 7でメインに使うことになりそうです。

メモリ管理機能も優秀で、いくつもアプリを起動してももたつきを感じません。ここがiPadを含む他のタブレットより優れているように思います。CPUの性能向上も一役買っているのでしょうね。

全体的なレスポンスは他のAndroidタブレットを圧倒して、iPadとほぼ変わらないほど快適です。Androidをベースにしていますが、Fireタブレットに最適化されたFire OSという独自のOSを積んでいるので、ハードウェアとOSの親和性が高いのでしょう。
このFireタブレットよりもスペックの高いAndroidガジェットを持っていますが、レスポンスは圧倒的にこのFireタブレットの方が上です。エラーも今のところ一度も出ていません。

ディスプレイ

1280×800のHDディスプレイです。Fire HDX 7 (2013)のような青色LEDではなく見やすい液晶です。もちろんFire HDX 7 (2013)で問題視された青帯問題はありません。7インチでHD画質ですから十分です。またゴリラガラスを採用しているため、傷や衝撃に強いです。

カメラ

Fire HD 7/6からフロントカメラだけでなくリアカメラも付くようになりました。リアカメラは200万画素でFull HDビデオも撮影でき、必要十分だと思います。流石にメインカメラとしては使えませんが、ブログやSNS投稿用としては十分な性能です。

サウンド

Kindle Fire HD (2012)の頃から言われていますが、Dolbyヴァーチャルサラウンドを搭載し音質が素晴らしいです。メディアを楽しむならFireと言っても過言ではないほどです。

USBホスト機能

Fire HD 7/6からUSBホスト機能が付きました。ここがFire HDX 7 (2013)と比べて有利な点です。USB機器をOTGケーブルを用いて接続すれば認識してくれます。ただし、exFATでフォーマットしたものは認識エラーが出たので、FAT32でフォーマットしたもののみ接続可能だと思われます。市販のOTGケーブルで使用出来ましたが、これから購入される方はAmazon純正の物を購入するとよいでしょう。これで、キーボードやマウスをつなげたり、多くのメディアを自由に楽しむことができるようになります。


Amazon USBアダプタ[Fire HD 6, Fire HD 7, Fire HDX 8.9対応]

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メディア

写真インポーターというアプリが標準搭載されており、上記のUSBホスト機能を意識していることが伺えます。SDカードリーダーを接続すればデジカメなどで撮った写真を簡単に取り込めて便利です。また個人的に意外だったのは、標準ビデオアプリでMKVファイルの再生が出来たことです。メディア方面にも力が入っているように感じました。

バッテリー

Kindle Fire HD (2012)と比べて大分持つようになりました。Fire HD 7/6に積まれているCPUは、パフォーマンス重視の1.5Ghzコア2つ+電力効率重視の1.2Ghzコア2つ(計4コア)で構成されているので、電力効率が良くなっているものと思われます。Fire OS 4から搭載された"Smart Suspend"(Fireを使用していないときにWi-Fiへの接続を切断してバッテリーの消費を節約する)機能もバッテリー持続時間向上をサポートしています。iPad miniよりは持たない感じがします。

アプリ

Fireタブレットで一番問題視されるのがアプリについてです。アプリは基本的にAmazon App Storeから入手します。このAmazon App StoreはGoogle Playに比べると品揃えがよくありませんが、TwitterやFacebook、Evernoteなどのアプリや、自炊ビューワーで有名なPerfect Viewerもありますし、バッテリー管理のBattery Mixや、タスク管理に不可欠なAdvanced Task Managerもあります。最近は段々Amazon App Storeも充実してきたように思います。

また、Google Playアプリであっても、そのアプリの.apkファイルを使うことでインストール可能です。おすすめは、Dropboxに.apkファイルをアップロードしてFire HDのDropboxアプリ(コチラからインストール)でダウンロードしインストールする方法か、Downloadフォルダに.apkファイルを転送してES File Explorerを使ってインストールする方法です。(Macをお使いの方は、Android File Transferを用いてFireに転送しましょう)

(.apkファイルを持っていない場合は、FireのSilkブラウザから.apkファイルを直接ダウンロードしてインストールすることも可能です。ただし.apkファイルが公式に配布されていない場合は、他のAndroid端末を持っている必要があり、その端末でバックアップした.apkファイルを利用します。)

ここでは有名な多機能動画プレイヤーである、MX Playerをインストールしてみます。

・Fire HDの設定 -> アプリケーション にアクセスし、"不明ソースからアプリ" をオンにしておきます。

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・FireのSilkブラウザでコチラからMX Player 1.7.34(バージョンは2014/12/29現在のもの)をダウンロードします。

・ダウンロードが完了すると、インストールダイアログが出るのでインストールをタップします。(ここまでが通常の.apkファイルのインストール方法です)

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・インストール後MX Playerを起動すると、コーデックをインストールしろと言われるので、コチラからARMv7+NEON Codec 1.7.34をインストールします。

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・以上でFire HD上でMX Playerが動作するようになります。

大抵のアプリが動くので特に不便に感じません。ただ、動かないGoogle Playアプリもありますので注意です。(特にGoogleサービスを利用するものがうまく動作しない印象があります)

また、1Mobile Marketなどの野良マーケットを活用する方法もあります。ただ、1Mobile Marketでは一部グレーなアプリも掲載されていることがあるようですので、利用の際は自己責任でお願いします。

因みになんと、hontoアプリもインストールでき問題なく動作します。これで、普段良く使っているKindle Storeとhonto 電子書籍ストアをFire HDで両方楽しめる!
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(あれ、今のところGoogleサービスを利用するChrome以外の、自分の普段使っているアプリは全て問題なくインストール出来、動作するぞ...)

Fire OSとアプリの互換性について

FireタブレットにはAndroidをカスタマイズした独自OSであるFire OSが搭載されています。Androidベースということが先行し、Androidアプリを簡単にインストールすることが出来たり、Google Playが使えるのではないかと勘違いした方がレビューで辛口評価をしているのを目にしますが、Fire OSはAndroid OSとは別物と考えた方が幸せになれるかもしれません。私の環境では、自分が利用したいAndroidアプリはAmazon App Storeや.apkファイルからインストール出来問題なく使用できていますが、Google Playの有料アプリやいくつかのアプリはFireタブレットでは動作しないこともまた事実です。

Fire OSはAndroidのある種の見どころである、端末のカスタマイズ性を省いているといえます。そのため、壁紙の変更などができません。因みに、ロック画面にキャンペーン広告が表示されますが、これは設定 -> アプリケーション -> キャンペーン情報 からオフにすることが可能です。

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使用感のセクションでFire HDの安定性について言及しましたが、これはFire OSというAndroidをベースにした「独自の」OSを積んでいることに因るものだと思います。一方で、アプリの互換性の一部が失われ、起動できないGoogle Playアプリ(特にGoogleサービスを利用するもの)もありますが、これはしようがないことだと思います。少なくとも個人的には、動作の安定性とアプリの豊富さを比べたら前者を取ります。なぜなら、Fireタブレットはあくまで電子書籍及びAmazonコンテンツを楽しむことを主としたタブレットだからです。

後のFireタブレットをおすすめできる人のセクションで詳しく述べますが、逆にアプリの豊富さを優先する方はiPadか普通のAndroidタブレットを買われることをおすすめします。しかし、Fireタブレットも野良マーケットを利用すれば意外と多くのアプリをインストールできることも実感しています。(自己責任で!)

Amazon Cloud Serviceについて

無料で5GB使えるAmazon Cloud Service。しかし、Amazonで購入したコンテンツやFireで取った写真・ビデオは容量無制限で保存してくれます。iPadでいうとiCloudみたいなものです。ただ、ビデオの自動保存はおすすめしません。なぜなら、USBホスト機能を使って動画を再生すると、そのUSBに入っているビデオを自動でAmazon Cloudにアップロードしてしまうからです。写真の設定からビデオの自動保存はオフにしておくことをおすすめします。

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Fire HDX 7 (2013)との比較

上位モデルに位置づけられているFire HDX 7 (2013)との比較です。Fire HD 7/6 (2014)はCPUとメモリとディスプレイ性能がFire HDX 7 (2013)より劣っていますが、機能面で優れている部分もあります。

1: リアカメラがある

2: USBホスト機能が搭載されている

3: 縦持ちが想定されたデザインになったので縦持ちで本を読む際に扱いやすくなった

特に2番。たくさんのデータを持ち歩いたり、周辺機器を自由に使いたい場合はFire HD 7/6 (2014)の方が有利です。正直、高負荷のゲームをしない限りはHDX 7 (2013)とHD 7/6 (2014)の差は分かりません。購入前に実際電器屋で両方触ってみても、通常使用で特に違いは感じませんでした。違いといえばディスプレイ解像度くらいです。Fire HDX 7 (2013)はFull HD表示の処理のために高性能CPU/GPUが使われていると考えられます。正直HDディスプレイでも綺麗ですので、どうしてもFull HDではないとダメな方以外は、Fire HD 7/6を検討する価値があると思います。

要は、通常使用に差は殆ど感じないので、リアカメラやUSBホスト機能を使いたいならばFire HD 7/6 (2014)、Full HDディスプレイ必須で、高負荷のゲームを遊びたい方はFire HDX 7 (2013)をおすすめします。

Fireタブレットをおすすめできる人

Fire OSとアプリの互換性のセクションで軽く触れましたが、Fireタブレットはあくまで電子書籍及びAmazonコンテンツを楽しむことを主としたタブレットです。 よって、「初めてのタブレットで何でもしたい、アプリ・ゲームをたくさん使いたい」人にはおすすめできません。「Google Play程のアプリの豊富さをそこまで重要視せず、本やビデオ・ブラウジングメインで、Amazonサービスを良く利用する」人にかなりおすすめできます。

(例)

A Type:サブタブレットとして本やメディア再生をメインに使いたい。Amazonもよく使う。→ 買わない理由がない!

B Type;コストパフォーマンスの高いタブレットを求めていて、アプリはそれほど多く利用しない。電子書籍やブラウジング・動画再生を主に利用したい。→ おすすめ。コスパ最強タブレットです。事前に一応自分の興味のあるアプリが使えるかの調査はしておいて損はないかも。野良マーケットを使えば意外とアプリもインストールできます(自己責任で!)。

C Type:初めてのタブレットで、今話題の色々なアプリを遊んだり、とにかく色々出来てメインに使えるのがいい!→ アプリがメインであったり、色々遊びたいなら普通にiPadかAndroidタブレットを買いましょう。

感想(まとめ)

Amazonサービスをよく使う人にとっては最高のタブレットだと思います。また、電子書籍や動画再生がメインで安くて性能の良いタブレットを求めている方にもぴったりです。Fire OSという独自OSとハードウェアの親和性が高いのでレスポンスも良好ですし、使い道をきっちり理解している人には満足できるタブレットとなっています。もう少しコンパクトさを求めている方にはFire HD 6がおすすめです。逆に、より大画面を求めている方にはFire HDX 8.9をおすすめします。(HDX 8.9はより高性能なハードウェア構成である上にUSBホスト機能なども使える最上位モデルです)

今回のFire HD 7/6 (2014)モデルは、Fireタブレットの完成形と言っても過言ではない出来ですので、興味のある方は是非検討してみてください。意外とアプリも色々インストールできたことにも満足しています。これからもFireタブレットが発展していくのを楽しみにしています。


Fire HD 7タブレット 8GB、ブラック


Fire HD 6タブレット 8GB、ブラック


Fire HDX 8.9タブレット (ニューモデル) 16GB


Amazon Fire HD 7用スタンド型カバー ブラック


更新履歴
2014/12/30:記事作成
2015/01/02:一部加筆・修正
2015/02/13:純正ケースについて追記

KindleFire,Fire HD 7

Posted by Kotyan