激安中華Windowsタブレット「ONDA V819W」レビュー

2014年12月28日

Windows 8.1 with Bingの登場によってWindowsタブレットが安くなり注目されるようになってきました。大手メーカーのWindowsタブレットはもちろんのことですが、中でもかなり安い中華Windowsタブレットも一部で注目を集めています。

今回、私はOffice 365付きのメモリ1GB/eMMC(ストレージ) 16GB (詳しいスペックは後述)の「ONDA V819W」を約15,000円程で購入しました。大手メーカーのものではメモリ2GB/eMMC 64GBという構成が一般的ですが、激安中華Windowsタブレットに多いメモリ1GB/eMMC 16GBという構成で果たして快適に動作するのか、そして快適に動かすために私がやった工夫(ここが中華タブレットで楽しいところなんです笑)もレビューと合わせてがっつりご紹介しようと思います。

ONDA V819W スペック

ディスプレイ:1280 × 800 8インチIPS液晶 静電式タッチパネル
OS:Windows 8.1 with Bing (32-bit)
CPU:Intel Atom Z3735E (4-Core)
メモリ:1GB
eMMC(ストレージ):16GB
拡張:microSDXC 128GBまで対応
カメラ:背面(500万画素) ・ 前面(200万画素)
スピーカー・マイク内蔵
無線:IEEE 802.11 b/g/n・Bluetooth対応
Gセンサー:4辺回転
I/Oポート:microUSB・microHDMI・イヤホンミニジャック・microSDスロット・マイク・内蔵スピーカー
バッテリー:4,000mAh
サイズ:約207 × 122.5 × 8.5 mm
重量:約354g
Office 365 Solo 1年分付属


Onda Windowsタブレット V819W intel IPS液晶 BT搭載 Windows8.1 z3735E

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私はAmazonにて約15,000円で購入しました。 Office 365付きでこの値段は凄いでしょう。CPUは大手メーカーのものと殆ど変わりません、メモリとストレージの大きさが違うくらいです。また、あと4,000〜5,000円程出せばメモリ2GB/eMMC 32GBのものも購入出来ないことはないのですが、敢えて出来る限り安く、Windows 8.1が動く限界のスペックを購入することで、果たしてこのスペックで快適に動くのかの検証、また快適に動かすための工夫を皆さんにお伝えしようと思い、あまり各所でレビューされていないこのスペックのものを購入した次第です。

中華タブレットは4年ぶりくらいで、4年前は中華Androidタブレットを購入した思い出があります。あの頃は、今のように大手メーカーから安いものが出ていなかったのである程度需要がありました。結論から言うと、4年前より遥かに中華タブレットは進化しており、大手メーカーのものと大差なく普通に使用出来るレベルに来ています。ほぼ保証の問題だけの違いといって良いでしょう。

レビュー

外観

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iPad miniと似ています(笑)。iPad miniを細長くしたような感じです。中華らしさが出ています。背面を見ると高級感がありますが実際触ってみると、結構分解しやすそうな構造です。物理ボタンや拡張スロットは問題なく動作しました。また、重量は軽い部類に入ります。数年前までは中華タブレットと言えば重いというイメージがありましたが、最近はそこも大きく変わっているようです。iPad mini with Ratina Displayと同じ位の重さです。
至って問題ありません。大手メーカーとの違いを上げるとするならば、Windowsボタンがないくらいでしょう。これは右端から左にスワイプすれば出てくるスタートボタンで代用可能ですので問題ありません。

OS

OSに関しては、Windows 8.1 with Bing (32-bit) 中文版がインストールされていますが、Windows Updateにて日本語言語パックをダウンロードして適用すれば日本語で問題なく使用可能です。上のAmazonから購入すれば、既に日本語設定された状態で届けてくれます(ショップによってここは違ってきます)。一部中国語になっていた場合は、コントロールパネル -> 時計、言語、および地域 で各々の設定で言語を日本語にして再起動するとほぼ完全に日本語化されます。特に、地域 -> 管理 の設定のコピーやシステムロケールの変更を忘れがちなので、ここもしっかり全て日本語に設定しておきましょう。

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全体的な感想

タッチ感度もiPad並に良く、滑らかに操作出来ます。やはりタブレットではMetroUIが映えますね。スタートメニューを利用する機会が格段に増えました。また、8インチだとデスクトップのファイル操作がやりにくいことがありますが、その際はOTGケーブルを使ってマウスを接続してやれば良いです(因みにマウスの右クリックはタッチだと長押しになります)。キーボードも好きな時に出し入れ出来るのでスッキリと画面を使うことが出来ます。デスクトップアプリも動くので非常に満足です。流石にiPadと比べるとOSレベルでタブレットとしては敵いません。OSが中途半端でタッチのみだと限界な場合も出てくるからです。ここは今後Microsoftに頑張ってほしいところです。

また、補助電源付きOTGケーブル経由でポータブルHDDが接続できないのが残念でしたが、これはしょうがないでしょう(しかもコネクタ部分が不安定でしたのでおすすめしません)。電源付きHDDやUSBメモリなどは問題なく接続可能です。一番良いのは、普通のOTGケーブルにACアダプタ付きのUSBハブをつなげてそこに周辺機器をいろいろつなげることかと思います。

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バッテリーについては他のタブレット並みに持っていると思います。特に不満はありません。ただ、長時間スリープにしておくと一気に電池がなくなるので、長時間使わない場合はシャットダウンしておきましょう。

工夫

ここからは、このタブレットを快適に使用するために私がした工夫をまとめていきます。

メモリ1GBについて

メモリ1GBで快適に動作するのか疑問に思っている人も多いことでしょう。結論から言うと、普通に動きます。Windows 7の時もメモリ1GBで普通に動いていたのである程度は予想していましたし、今年春にリリースされたWindows 8.1 Updateで、メモリ1GB/ストレージ16GBでも快適に動作するようになりましたので問題なく動きます。

少なくとも、「重いな」と感じたことはありません。そもそもタブレットで重い操作をしないということと、32bit版OSですので64bit版ほどメモリを食いません。アプリを何も使用していない状態で400MB〜500MBくらいが使用中といった感じです(起動直後はサービス起動のためこれより少し高くなります)。Webゲームや2D Gameなどは問題なく動きました。3D Gameは試していませんがキツイでしょう。(そもそもタブレットで3D Gameはやらないと思いますが;^^)。仮想メモリは2GB程でした。

特に、Metroアプリのメモリ管理がかなり優秀だと思いました。バックグラウンドに回ったアプリはサスペンド状態になるため、メモリ消費量が0.1MB程まで抑えられます。この点は素晴らしいと思います。

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メモリ1GBでやりくりするための工夫

1. ウイルス対策はWindows Defender任せにしてしまいましょう。リアルタイム保護で大体メモリを20MB程消費しています。流石にウイルス対策ソフトを別に入れてしまうと重くなる可能性があります。因みに、Windows Defenderを無効にすると更に軽くなります。

2. Google Chromeを使う場合、これは結構メモリを食いますので、設定 -> 詳細設定でバックグラウンド起動をオフにしておきましょう。これでChromeを終了後メモリが自動的に解放されます。また、あまりタブを開き過ぎない方が良いでしょう。IE11は軽いので通常はこれをメインに使うことをお勧めします。

3. デスクトップアプリはいくつも同時起動させない方が良いでしょう。例えばChromeを開きながらSkypeを開きつつゲームをプレイするといったヘビーな使い方はキツイかもしれません。Metroアプリについては、バックグラウンドに回ったアプリは自動でサスペンド状態になるので気にする必要はありません。

結論としては、ヘビーな使い方をしない限りは、メモリ1GBでも快適に使えます。仮想メモリ機能も有効に働いているおかげでしょうが、普通に使用していて重い、と思ったことは今のところありません。CPUの性能にも助けられている感じがします。もちろん、多くのタスクを同時に行いたい場合はメモリ2GBのモデルを買うべきでしょう。ただヘビーな使い方をしなければメモリ1GBでもいけるということです。

ストレージ16GBについて(要工夫)

Windowsタブレットでストレージ16GBというのはかなり少ないです。Windows Updateなどをかけると残り3GB程度になってしまいます。しかし以下に挙げる工夫をすることによって問題なく使用することが出来るようになります。

1. Cドライブのリカバリー領域のバックアップを取り削除する

タブレットの場合この作業が様々なところで紹介されていますが、正直、これは特にこの機種にはあまりお勧めしません。というのは、リカバリー領域を削除したらOSが起動しなくなり、リカバリーする羽目になってしまったからです。回復ドライブを作成後に削除するのですが、そもそも、回復ドライブ作成完了後のパーティション削除のオプションが表示されなかったり、コマンドプロンプトにてdelete partition overrideが走らなかったことから察するべきでした;^^。つまり、この機種ではこの方法を使えない(そして私のように無理やりリカバリー領域を削除するとOSが起動しなくなる)可能性が高いのでここでは紹介しません。

2. ディスクのクリーンアップを行う

これは現時点まで来ているWindows Updateを全てかけてから実行することをお勧めします。効果はかなりあります。私の場合、3GB程空きました。Cドライブを右クリックして"ディスクのクリーンアップ"をクリック --> まずそこで不必要な物をクリーンアップし、"システム ファイルのクリーン アップ"をクリック --> Windows Updateで不要になったファイルなどをクリーンアップします。予想クリーンアップ容量は当てにしなくてよいです。私の場合、25MBクリーンアップのところが3GBもクリーンアップされましたので;^^

3. microSDXC 64GBを用意して仮想HDD(Dドライブ)を作成する

これがメインです。やはりeMMC 16GBの環境で、外部拡張スロットを有効活用しない手はありません。microSDXCまで対応していますので、手軽な64GBをここでは用意することとします。おすすめはTranscend製です。コストパフォーマンスが非常に高いです。

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microSDXCをスロットにいれて容量を拡張するだけでも良いのですが、PCにmicroSDとして認識させたままだと、このmicroSDにソフトをインストール出来ない場合が出てきます。そこで、このmicroSDをHDDと同じ扱い(仮想HDD)にするようにしてあげます。以下、手順をまとめておきます。

まず、microSDをNTFSでフォーマットしておきます。

次に、コントロールパネル --> 管理ツール --> コンピュータの管理 を開き、ディスクの管理をクリックします。

操作 --> VHDの作成 を選択します。ファイルの名前はこなんでもいいのですが、ここでは"kasou.vhd"に設定したとして進めていきます。仮想ハードディスクのサイズは、microSDのGB容量×1000−4000 MB 程が適当です。(64GBならば59,000~60,000MBあたり)

あとの設定はそのままでOKをクリックし、しばらく待ちます。1時間くらいかかります。

仮想HDD作成完了後、仮想HDDを初期化し、新しいシンプルボリュームを作成します。ボリュームサイズの指定はそのままで、ドライブの割り当てはお好みで選択しましょう。ファイルシステムはNTFSでフォーマットを開始します。完了すると、仮想HDDが作成されています。(写真は、D: 仮想HDD・E: 仮想BDドライブ・Z: Dのマウント元のmicroSD となっています)

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これでソフトのインストール先を、設定したドライブパスにしてやれば容量に困ることはなくなります。この仮想HDDは、microSD内に作成したkasou.vhdをマウントしてHDDとして扱っています。しかし、パソコンを起動しても自動的に仮想HDDはマウントされませんので、起動すると自動的に仮想HDDをマウントするバッチファイルを仕込むことにします。

"attach-vdisk.txt"をメモ帳などで作成します。中身には以下を記述します。(microSDのドライブパスがZ:でVHD名がkasou.vhdの場合)

select vdisk file="Z:¥kasou.vhd"
attach vdisk

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この"attach-vdisk.txt"をCドライブ直下に保存します。

次に、"automount.bat" を作成します。中身には以下を記述します。

diskpart -s C:¥attach-vdisk.txt

この"automount.bat"をスタートアップに保存することで、Windowsの起動時に自動的に仮想HDDがマウントされるようになります。

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(ユーザーアカウント制御が出てくると思いますのでそこではいをタップすると自動的にマウントされます)

これでディスク容量を気にする必要がなくなりました!

まとめ

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以上のような工夫で快適に使用することが出来ます。ひと通りセットアップ完了後、暫く使ってみましたがサクサク動いてくれて嬉しいです。アップデート直後は少し重いかもしれませんが、ひと通りアップデートをかけたら、Windows Updateの自動更新をオフにしたり、Windows Defenderを無効にするとかなりサクサクになります。そこは工夫次第です。少なくともストレスなく使用できており大変満足しています。(もう少し余裕を持ちたい方やヘビーに使いたい方は、メモリ2GB/eMMC 64GBのLenovo Miix 2 8(Z3740/2G/64GB/Office H&B/8.0HD)59428524 保護フィルム付きを購入することをおすすめします)

ONDA V819Wは、安く抑えたい方・Windowsタブレットの雰囲気を知りたい方におすすめの製品です。ただ、保証は初期不良のみとなっていますのでそこの点は注意です。自分で問題を解決できる能力を持っていることは言うまでもありません。

周辺機器をつなげたり、何より豊富なWindowsアプリケーションを動かせるわけです。CPU・グラフィックスの性能も高いので電子書籍もスイスイ読めます。これからはこのWindowsタブレットもガンガン使っていくことになりそうです。

Onda Windowsタブレット V819W intel IPS液晶 BT搭載 Windows8.1 z3735E

おまけ

因みに、少しベンチマークの話をすると、以前まで使用していた「ASUS Eee PC 1015PX」(ネットブック。CPU: Intel Atom N570・メモリ: 2GB(増設済み))と、この「ONDA V819W」(CPU: Intel Atom Z3735E (4-core)・メモリ: 1GB)をGeekbench 2で比較してみたところ、なんとこのONDA V819Wの方がスコアが上でした。(O.E.M.がONDA V819W)

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2GBのメモリを積んだネットブックよりもベンチマークが高い、ということで、確かに実用上問題ないほどのことはあるなと思いました。

アクセサリについて

私が購入したアクセサリをまとめておきます。

キーボード付きケース。タブレットを立てかけられる上に、キーボードが付いているのでノートPCのように扱えます。


【K&W】7/8/9/9.7/10インチ専用タブレットキーボード付ケース スタンド機能付の手帳タイプ!保護ケース!PUレザーケース Micro端子 Black対応!(8インチ)

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USBホストケーブル。USBや外付けHDDを接続可能にします。必需品。

iBUFFALO USB(microB to A)変換アダプター ブラック BSMPC11C01BK

microSDXC 64GB。容量確保のための必需品。

【Amazon.co.jp限定】Transcend microSDXCカード 64GB Class10 UHS-I対応 (無期限保証) TS64GUSDU1E (FFP)

Bluetoothマウス。タッチではキツイ部分をカバーするために必要なことがあるので買っておくに越したことはないと思います。

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以上。