PS Vita FW3.69-3.70 Hackツール「Trinity」リリース [導入方法]

2019年8月29日

iOS Jailbreakの記事に引き続き、PS Vita Hackに関する記事を更新します。

TheFloW氏から、PS Vita FW3.69~3.70対応のHackツール「Trinity」がリリースされておりますので、導入方法を画像付きで詳しく解説いたします。

はじめに

PS Vita Hackが初めての場合は、まずは以下のまとめページをお読みいただくことを推奨します。

Trinityとは

FW3.69~3.70でHENkaku環境を実現するものです。HENkakuとは、Native Hackに分類されるもので、PS Vitaのコア部分にアクセスできるようになるHackのことです。VHBLやeCFWのようにエミュレータ上で動くものとは違い、Vita上で’Native’に動作します。そのため、Vitaの設定項目を直接いじったり、LiveAreaに直接NativeなHomebrewを配置してNative環境で起動することが可能になります。もちろんリスクも高くなり、Vitaのシステムを直接いじることができるため、最悪の場合Brickする可能性があることに注意しましょう。また、不正な改造(チートなど)を行った状態でPSNに接続した場合BANされる可能性が高くなりますので注意する必要があります。今回のTrinityのリリースにより、現時点(2019/06/09)での最新FWである3.70にも導入可能になりました。

[追記 (2019/08/26)]:FW3.65~3.72 Hackに対応した「h-encore²」がリリースされました。FW3.71, 3.72環境の人は以下の記事をご覧ください。

必要なもの

導入方法

※Vita Hackを行っていかなる損害が生じても、当サイトは一切責任を負いません。必ず自己責任で行って下さい。

1: 任意のPSPゲームをPS Storeからダウンロードしておきます。ここでは「Ys SEVEN 無料版」を使用して作業を行うことにします。

2: QCMAを未導入の場合は、 CMA(コンテンツ管理アシスタント)を終了し、QCMAをインストールします。

3: 1.でダウンロードしたPSPゲームをコンテンツ管理アプリを用いてPCに転送します。

4: [QCMAで設定したディレクトリ]/PGAME/[ユーザごとに割り当てられる文字列]/[転送したゲームのID(ここではNPJH90191)]内のフォルダを操作していきます。このフォルダを任意の場所にバックアップしておきましょう。

5: psvimgtoolsをダウンロードして解凍したファイル内に、4.で示したディレクトリ(ここではNPJH90191フォルダ)内のgameフォルダをコピーします。

6: AID(アカウントID)を確認します。 [QCMAで設定したディレクトリ]/PGAME内にある、[ユーザごとに割り当てられる文字列]をコピーして、こちらのサイト にアクセスして貼り付けて送信ボタンをクリックし、表示されるキー(KEY)をコピーします。

7: コマンドプロンプト(Macの場合はTerminal.app)を起動し、 psvimgtoolsファイル内(psvimg-extract.exeがあるディレクトリ)にcdコマンドを実行して移動します。そして、以下のコマンドを実行します。

psvimg-extract -K [手順6.で取得したKEY] game/game.psvimg game_dec

8: Trinity(PBOOT.PBP)をダウンロードして、 psvimgtoolsファイル内(psvimg-extract.exeがあるディレクトリ)/game_dec/ux0_pspemu_temp_game_PSP_GAME_(ゲームID) フォルダ内にコピーします。

9: 以下のコマンドを実行します。

psvimg-create -n game -K [手順6.で取得したKEY] game_dec game

10: 以上の操作で、gameフォルダがTrinityによって更新(改変)されたので、このgameフォルダを手順4.で開いた、[QCMAで設定したディレクトリ]/PGAME/[ユーザごとに割り当てられる文字列]/[転送したゲームのID(ここではNPJH90191)]内にコピー(上書き)します。

11: QCMAのデータベースを更新(タスクバーからQCMAを右クリックから行えます)して、Vitaのコンテンツ管理アプリから手順3.で転送したPSPゲームをPCからVitaに転送(書き戻し)します。

12: Wi-FiをオンにしてVitaを再起動後、ホーム画面にTrinityアプリがあることを確認して(PSPゲームと置き換わっている)、起動します。

13: 少し待つとConstructメニューにいくので、"Install HENkaku"と"Download VitaShell"をそれぞれインストールします。最後はExitを選択して終了します。

14: システム情報でバージョンが"変革"になっていれば成功です。お疲れ様でした。なお、Vitaを再起動するとHack状態が解除されるので、その際は再度Trinityアプリを起動して "Install HENkaku" を実行してください。

導入後に行ったほうがよいこと

Trinityの作者であるTheFloW氏は、PS Vitaのダウングレードツールである「modoru」もリリースしています。このTrinityでHENkakuを導入後、ダウングレードすることを推奨しています。FW3.69/3.70から3.65や3.60などのHack環境の安定したバージョンにダウングレードすることで、快適にHack Lifeを楽しむことができます。詳しくは以下の記事をご覧ください。

まとめ

このTrinityによって、現時点(2019/06/09)での最新FWである3.70でもHack環境を構築することが可能になりました。しかもmodoruを使えば任意のバージョンにダウングレードすることもできます。PS Vita Hackの可能性が広がったといえます。PS Vitaは出荷完了してしまい残念ではありますが、Hack界隈はまだ盛り上がりを見せています。自己責任でVita Hackを楽しんでくださいね!